前回、カード型の空気清浄器に対して課徴金命令が下された事例を取り上げましたが、今回も除菌関連商品が景表法違反に問われた事例を紹介します。
2021年7月28日、消費者庁は、マクセル株式会社(以下「マクセル」といいます。)に対し、「オゾン除菌消臭器 オゾネオ エアロ MXAP-AE270」(以下「本件商品」といいます。)に係る表示について、景表法5条1号違反(優良誤認)が認められたとして、措置命令が下されました(同法7条1項)。
マクセル株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について | 消費者庁
マクセルといえば、古くはMD関連商品、最近ではブルーレイディスクや電池、ヘルスケア関連商品を販売している会社ですので、驚かれた人も多いかと思います。
以下、簡単に措置命令の概要についてまとめました。
(1) 表示について
マクセルは、自社ウェブサイトや楽天市場において、
・「【新型コロナウイルス不活化効果を確認】Maxell マクセル オゾン除菌消臭器 オゾネオ エアロ MXAP-AE270 20畳までの空間を快適空間に オゾンでウイルス除去を徹底サポート」
・「10月27日(火)リリース マクセル製オゾン除菌消臭器で生成した低濃度のオゾンによる新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の不活化効果を確認公立大学法人奈良県立医科大学と2例目となる共同研究を実施」
等と、本件商品を使用すれば、本件商品によって発生するオゾンの作用により、20畳までの空間において新型コロナウイルスを除去する効果が得られるかのような表示をしていました。
消費者庁は、景表法7条2項に基づき、マクセルに対し、これらの表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めました。
しかし、マクセルから提出された資料は、合理的な根拠を示すものであるとは認められない、と判断されました。
(2) 措置命令の概要
- 上記表示は、本件商品の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すものであり、景品表示法に違反するものである旨を一般消費者に周知徹底すること
- 再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること
- 今後、表示の裏付けとなる合理的な根拠をあらかじめ有することなく、上記表示と同様の表示を行わないこと
(3)マクセルの対応
消費者庁による措置命令を受け、同日、マクセルからIRニュースがリリースされ、同社の見解と今後の見通しについて述べています。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/6810/tdnet/2004524/00.pdf
なお、問題とされた表示については削除されているようです(2021年7月29日現在)。
(削除前)
※「マクセル株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について」(消費者庁)より
⬇
(削除後)
※マクセルHP:https://maxell-online.com/deodorization/ozoneo/mxap-ae270/